修理事例・不動原因追求



患者はゼノアG3201EZ。当方が初めて買ったチェンソー。ブログを通してお友達になった「町のチェンソー屋さん」にて購入。

夏の暑い日にブラッシングの練習をしていて、突然「モワッ!」という感覚がした直後エンスト。しかし何回かスターターを引くとエンジンは掛かるので、そのシーズンはそのまま使っていた。

同機種を予備に購入して使い比べをしていたところ、どうもスターターが重い。試しにマフラーを外してピストンを見てみると、バッチリ焼き付いていた。

すぐ町のチェンソー屋さんに部品注文して交換作業となる。
ゼノアはビスがトルクスネジになるので要注意。
見事な焼き付き。こういった排気側(マフラー側)に傷が付くのは高回転無負荷の場合が多いとか。
無事新品ピストン装着完了。
ピストンの頭部分に排気側を示す記号がある。これを間違えずに固定する事。
シリンダやらマフラやら外装を復旧して完了。
ついでにマフラーをバーナーで焼いてカーボンを焼ききっておいた。
画像を撮りながらでも一時間も掛からず修理できた。



ハスクバーナ346XPNEの場合
@ A
某オークションで近落札した、ハスクバーナの346XPNE。出品者さん曰く「先日まで動いていたが、急に動かなくなった」との事。
機体も新しいし付属品も充実していたので、勉強用に落札。パーツ毎にパッキングされ出品者さんの誠意が伝わってきた。

肝心の不動の原因だが、マフラーを外してピストンを見る限り傷はない。キャブレタの不具合かと思い、プラグ穴から混合を入れスターターを引っ張るもエンジン不動。
ならばとシリンダを外して唖然とした。シリンダを止めているサークリップが外れてシリンダ内で暴れ、ピストンに傷を付けていた。

画像Aのピストンを見ていただきたい。クレーターの様にボコボコになっているのがわかると思う。

少々分かり難いが、画像BとCはBがサークリップが外れている画像でCが正常なサークリップ。

このサークリップの外れだが、はめ込みが甘かったのかサークリップの使いまわしで外れたのかは不明。

直接の原因か解らないがピストンが逆に付いていた。ピストンの頭部分に排気側を示す⇒があるのだが、この⇒が吸気側を向いて付いていた。

当方の勝手な推測だが、この346XPNEは元は346XPで個人が346XPNEに改造した物と思われる。いわゆる「ニコイチ・サンコイチ」というヤツだ。

本体・ピストン・シリンダと組んだまでは良いが、ピストンを逆向きに付けてしまい、ピストンピンに負担がかかり、サークリップが飛んで焼き付いたのではなかろうか?

この辺りが中古機の面白い所で、前所有者のチェンソーに対するスキルが伺えてくる。
B C





共立CSE2700

横置きエンジンの代表格として共立のCSE2700中古機。某有名ストアーから出品されているのを発見。「スパークしません。部品取りにて」との事。
スパークしない⇒最悪イグニッションコイルのアッセン交換で1万の出費か。すでに一台同機種を所有しているので修理費が高額になるようであれば部品取りにでもと落札。

手始めにスパークの確認。付属のスパークプラグでは火花は見えない。これだけ錆びていれば、電流も通らないのではないか?
テストプラグで確認すると、バッチリスパークした。稼動する要素はある。あとは焼き付きの確認。マフラを外して確認すると、立て傷あり。ピストンアッセンで直りそうと判断して全バラシ。

念の為燃料を出してみると、混合の色では無い。全くのガソリン色。おそらく生ガスを入れて焼き付かせたパターンと思われる。

シリンダも結構深い傷があり修復に手間取ったが、無事組み立て完了。
スターターを引くと数回で初爆あり。その後は快調にアイドリングした。現在ゾイルを添加した混合でナラシ中。
2タンク程度ナラシが終わってから本格的にキャブレタの調整に入ろうと思う。


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